巨人について [小話②]

この地方には巨人がいます
大きくて甲冑で出来ています
大きさは奈良や京の大寺の五重塔とさして変わりません
巨人たちは喋る事は出来ませんが、力仕事が得意なので、みんなが頼りにしています
城攻めなどの戦働きをしてくれると良いのですが巨人は戦をしないようです。
昔に元と言う国が海を越えて攻めて来た時に一度だけ戦ったという言い伝えがあります
巨人が死ぬと核融合炉という魂の居場所が冷えるまで置いておき、後は解体して材料にします
複雑な部分は京の都に運んで先生たちが調べていますが皆目分からないという噂です
巨人が死んだ時の葬式はのどかなもので春や夏なら花で飾られ、秋には果実が盛られ、冬には雪だるまが並びます
立ったまま死んでいたり、歩いている途中で死んで転けたまま動かなくなったり
と巨人の死に方は色々です
巨人は道具のカタマリで生き物ではないという人もいますが、夏の夜に集まって夜空を見上げる巨人たちを見ていると、きっと生きているに違いないと私は思います
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