「ある作家」 [小話(こばなし)]

例えば、この本だと余白が少し少ないね
今度の本は、余白に書き込んでもらえるだけの余裕をもたせたい
行間も同じ理由で開けよう
読手に色々と書き込んでもらって、初めて本は完成すると思うんだよね。
やがて、古本屋に出回って
誰かが手にして、以前の持ち主の書き込みを読みながら
また書き込む、それの繰り返しの中で、この世にただ1つの本ができあがっていく
1万部刷られた本が、同じ本ではなくなって全てが別の本になる。
そうだ!その旨を本の冒頭に書いておこう
そのほうがいい。
今の読者にはそれくらい親切であるべきだ!
よしよし!
冒頭部分を書く!だから、あと1週間待ってて!
よおおし!書くぞ!



先生の話を伺いながら私は思う
相変わらず、すごい意気込みだ…
でも、先生の本はなかなか売れないんですよね。
あと1万部じゃなくて3000部だし
今回も遅くなるんだろうなぁ ( ´△`)アァ-





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